タイの美容クリニックのSEO事例

クライアント基本情報

クライアントはタイのバンコクを中心に１４店舗を展開する大手美容クリニックです。遠方の支店としてはビーチリゾートであるパタヤにも支店があります。ほぼ全ての支店はセントラルデパートという百貨店内に出店しており、知名度も高いクリニックです。また、高級志向のクリニックで、価格帯は市場平均よりも高めです。

タイの美容業界でカリスマ的な医者であるオーナーが経営しており、テレビ番組に何度も出演し、雑誌等でも頻繁に紹介されています。

実際の店舗の写真

クリニックの取扱サービス

豊胸、鼻を高くする、脂肪吸引といったような手術が必要な整形から、しもそばかす除去、脱毛、アンチエイジング、ボトックス等、ありとあらゆるサービスを取り扱っています。ひとつのサービスだけの提供も行っていますし、それらを組み合わせた「コース」としてのサービスも多くあり、７０種類近いサービスを取り扱っています。

SEO対策キーワード

「ศัลยกรรม（整形）」といった広い意味を持つビッグワード及び、「ボトックス（โบท็อก）」「脱毛（กำจดขน）」といったサービス名をSEO対策キーワードとすることに決まりました。
ただし、例えば「鼻を高くする（ทำจมูก, เสริมจมูก）」というキーワードは日本語はひとつですが、それに対応するタイ語がふたつあります。その上に「鼻筋を綺麗にする（ทำดั้ง, เสิมด้ง）」という類似ワードも合わせると４つになります。また「豊胸（ทำนม, เสริมนมม ทำหน้าอก, เสริมหน้าอก）」も対応するタイ語が４つもあります。

基本的には検索数の多いものをメインとすることで進めることになりましたが、検索数の多いキーワードはくだけた口語表現であることも多く、クリニックのイメージに合わないキーワードはサブとすることもありました。

SEO対策キーワード例

タイ語で複数表記方法があるキーワード例

「キーワード ＋ 支店エリア」

支店が１４あるため、それぞれの支店紹介ページを作成し、「整形クリニック　＋　支店エリア名」という組み合わせをキーワードに設定してロングテールでの効果を狙いました。

プロジェクト概略

クライアントは支店数、支店の出店場所が有名デパートばかりであること、オーナーがカリスマ医師であることなどの要因により、タイ国内における知名度は非常に高いクリニックのひとつです。ただし、ウォークインでの入店や、雑誌等のオフライン広告経由と思われる電話での問い合わせはそれなりにあるものの、ウェブサイトのアクセス数があまり多くなく、問い合わせも少ないことが悩みでした。

クライアント自身で特定のキーワードで検索した結果は、それなりに上位に表示されているものもあれば、全く上位表示されていないものもあるため、このあたりを解決したいというのが今回のSEOの目的です。

ただし、後述するウェブサイト診断の結果により、ウェブサイト自体をリニューアルしないとどうにもならない状況であることが確認されたため、当社においてサービスのカテゴリ分けも含めた、ウェブサイトリニューアルも合わせて行うことになりました。

ウェブサイト診断結果

まず、問題点を把握するためにサイト全体に対するウェブサイト診断を行いました。その結果、以下の問題が発見されました。

• タイトルタグにキーワードがない。
• メタディスクリプションが全ページ重複している。
• H1タグが設置されていない。
• 各ページへの導線が全く考えられていない。
• サービスのカテゴリ分けができていない。
• 重複コンテンツが多い。
• 外部サイトからのコピーコンテンツが多くある。
• 各支店の独立したページがない

施策内容

サービスのカテゴリの整理

ウェブサイト内に存在するサービスページを確認したところ、サービスが６８種類に対して１１２のページが存在しており、複数のページが重複した上で様々なカテゴリの下に属しているという状態でした。

カテゴリ名自体も分類基準が不明瞭で、それぞれのサービスが正しいカテゴリにも登録されていなかった。正直なところ、ウェブサイトからマウスを使ってクリックして希望のサービスに到達するのは至難の業という状態でしした。

これに対し、当社において競合他社や検索上位のクリニックの分類を参考にしつつ、それぞれのカテゴリページでもキーワードを拾っていけるように最構成しました。直感的にクリックしていけば希望のサービスページへと到達できる導線を意識しつつ構成し、重複ページは削除を行いました。

また、一部、既に提供してないサービスがあったため削除した上で、逆に、ウェブサイト上にはないが実際は提供しているページなども追加を行いました。

タイトルタグの最適化

本来ならタイトルの最適化から行うことが多いのですが、このウェブサイトではカテゴリの再構成を先に行わないことには、キーワードマッピングもできないような状態でしたので、先にサービスページ、カテゴリを綺麗にしてから、その後、各ページにキーワードを配置し、タイトルタグの最適化を行っていきました。

コピーコンテンツの削除

クライアントの担当スタッフは「コピーコンテンツ」がいけないことだという理解が無く、ブログやサービスの説明を競合サイトからコピーしているものがところどころ見られました。これは削除して、新しいオリジナルな文章を作成して全て入れ替えました。

H1タグの設置

古いウェブサイトではH1タグが入れられない状態だったため、リニューアル時にH1タグを設置し、最適化しました。

各支店ページの作成

「整形クリニック　＋　支店エリア名」というキーワードを狙うために、各支店ごとの独立したページを作成し、対策を行いました。

施策結果

施策前後のキーワード順位比較例（１年後）

カテゴリ分類ができていなかったものの、サービスの種類は多く、コンテンツの量も多いウェブサイトであったことが幸いしました。時間と手間はかなりかかったものの、しつこくカテゴリとサービス周りの構成を綺麗にしたことで順位は見違えるように上昇しました。

ただし、そもそも美容業界は競合の多い業界であるために、上位表示はすぐに達成されたわけではなく、１年かけて徐々に順位が上昇しました。

施策後は実際にウェブサイトからの問い合わせ数も増え、店頭に直接訪問してくれたお客様へのアンケートでも、「検索からウェブサイトを見て訪問」という人の数が一番になりました。