クライアントについて
クライアントはタイの大手家具メーカー、及び輸入販売業者です。オフィス家具、一般家庭向け家具、デザインキッチンの他に、設計施工を行う部門もあります。
取扱い製品は自社ブランドのものと、海外ブランドがあります。日本の大手オフィス家具メーカーの販売代理店でもあります。タイ国内に複数のショールーム、及び販売店を持つ上に、海外店舗としてミャンマー、ラオスにも店舗があります。
タイ国内における知名度はバンコク周辺及び、地方都市ではかなり高くなっており、家具といえば必ず名前の上がる一社です。
プロジェクト概略
クライアントは具体的な悩みと目標を持っており、内容としては「自社はかなりの家具メーカーとしてかなりの知名度の高さがあるにもかかわらず、『家具』『椅子』『机』といった代表的なキーワードで検索した際に検索結果の上位に表示されていない」というものです。
上位表示された場合、結果的に検索数の増加は期待されるものの、「現状、聞いたこともない家具メーカーが上位を占めていて自社のブランドが毀損されていると感じることを解消したい」というのが今回のSEOの目的です。
ウェブサイト診断結果
まず、問題点を把握するためにサイト全体に対するウェブサイト診断を行いました。その結果、以下の問題が発見されました。
- ウェブサイト内の全てのページにH1タグが無い。
- ウェブサイト内の全てのページのタイトルタグが重複している。
- ウェブサイト内の全てのページのタイトルタグにキーワードが無い。
- ウェブサイト内の全てのページのメタディスクリプションが重複している。
- wwwの有りと無しが統一されていない。
- robots.txtが無い。
- sitemap.xmlが無い。
- Google Search Consoleが設置されていない。
- カテゴリの数が少ない。
- カテゴリ一覧ページ(カテゴリトップ)内のコンテンツが少ない。
- 製品ページのコンテンツが少ない、または全く無い。
- 専用CMSで作られており、カスタマイズの自由度が少ない。
施策内容
ウェブサイト診断で発見された問題を解決するために以下の施策を行いました。
H1タグの追加
カスタマイズ自由度の低い専用CMSによって構築されており、一括でタグを追加することができなかったため、最終的に手動で全ページにタグを設置しました。
また、同時にH1タグ内に入れるテキストも当社において全ページ分作成しました。
タイトルタグの修正
ウェブサイト内の全ページのタイトルタグ内のテキストにクライアント企業名が使用されており、重複していました。また、同時にこれは全てのページのタイトルタグにおいてキーワードを意識したタイトルになっていないことを示します。
当社にて全てのページのタイトルタグ内のテキストを抜き出した後リスト化し、全てのページにおいて重複がないように、かつ、キーワードを意識したテキストへと修正しました。
メタディスクリプションの修正
ウェブサイト内の全ページのメタディスクリプション内のテキストにクライアント企業のスローガンが使用されており、重複していました。
当社にて全てのページのタイトルタグ内のテキストを抜き出した後リスト化し、全てのページにおいて重複がないように、かつ、キーワードを意識したテキストへと修正しました。また、今後も追加されるであろうブログに関してはメタディスクリプションタグ自体を削除するという対応を行いました。
URLの正規化
wwwの有りと無しが統一されておらず、どちらからのURLからもアクセスできて、それぞれのURLのままサイトが表示されている状態でした。これはGoogleからみてWWW有り、無しの2ページが存在しているとみなされ、重複コンテンツとしてペナルティの対象となる可能性があります。
また、それ以外にも解析ソフトでのデータが分散してしまったり、バックリンクの効果が分散してしまったりする可能性もあるため、当社においてwww有りに統一しました。
wwwの有無はどちらがSEOに有利ということはなく、どちらかを選択する必要のみがあるのですが、今回、実際にGoogleにインデックスされているページを確認したところ、www有りの方が多くインデックスされていたため、www有りに統一することとなりました。
robots.txtの作成、設置
robots.txtが無かったため、当社において作成後、設置しました。
sitemap.xmlの作成、及び送信
sitemap.xmlを作成し、Google Search Console経由で送信を行いました。
Google Search Consoleの設置
当社にて設置を行いました。
カテゴリの追加
当社において、競合企業のウェブサイトやキーワードを元に、SEO効果があり、かつ自然なカテゴリ分類のサンプルを作成しました。ただし、後述のCMSの仕様により、カテゴリの追加はできませんでした。
カテゴリ一覧ページ内のコンテンツの追加
カテゴリ一覧ページがSEO対策ページとなる場合もあったため、実際に当社にといてコンテンツを作成し、一覧ページに対するコンテンツ追加を行いました。
製品ページのコンテンツの追加
こちらは当社でリストを作成し、どのページにコンテンツが足りていないかを可視化した上に、当社にて、ページ内のどのような部分であれば自然な形でコンテンツの追加が可能かという追加サンプルを作成しました。
※実際のコンテンツの作成はクライアント側での作業となります。
CMSのカスタマイズ、修正、変更
クライアントのウェブサイトは専用CMSで作成されており、カテゴリ追加やタグの追加変更、パーマリンクの設定などに問題がありました。このCMSの仕様のために実施できないSEO施策もあり、カスタマイズの可否を制作者に確認しましたが難しく、CMSそのものの変更はクライアントに認められず、結果的に「現状のCMSで出来る限りのことをする」という結論になりました。
施策結果
ほぼ全てのキーワードが100位以内に表示されていないような状態から、半年かけて徐々に施策を行っていき、結果的に多くの重要ワードで5位前後での表示を達成することができました。そもそもウェブサイト自体がシンプルなデザインを重視しており、コンテンツの追加自体が「見栄えが悪くなる」ということで承認されないこともあったのですが、クライアント側の担当者の尽力により最終的にはできる限りの施策を行うことができました。